人材紹介業におけるキャリアアドバイザー(CA)の役目は、求職者が最適なキャリアを築くためのサポートを行い、同時に企業が求める人材を提供する橋渡し役を担うことです。
単なる「人材紹介」ではなく、求職者の人生をより良い方向に導き、企業に価値ある人材を提供する必要があります。 そのためには、両者のニーズを深く理解し、丁寧で誠実なサポートを行うことが求められます。
キャリアアドバイザーの具体的な仕事内容は下記の通りです。
・求職者のキャリア構築のサポート
・キャリアプランニングの支援
・自己分析のサポート
・応募書類や面接の対策
・ 求職者と企業のマッチング
・求職者に適した求人提案
・企業側ニーズとのすり合わせ
・転職活動における求職者のメンタルサポート
・業界や職種の市場動向を共有
・面接日程や選考スケジュールの管理
・採用条件の交渉
・内定後のフォローアップ
本記事では、キャリアアドバイザーが求職者面談を行う際の流れと、面談時のヒアリングのポイントについてご紹介をさせていただきます。
[[求職者面談時のヒアリング内容を統一し、アドバイザーの水準を向上させる]]
キャリアアドバイザーが求職者と面談を行う際には、事前準備からフォローアップまで、以下のような流れを意識するとスムーズに進められます。
1. 事前準備
■求職者の情報を確認する。
履歴書・職務経歴書などを熟読し、経歴やスキルを把握。どのような質問をするべきかポイントを整理します。
■求人企業や市場情報を準備する。
求職者の希望に合いそうな求人情報や、関連する業界・職種の市場動向を調べておきます。
2. 面談の導入
■挨拶とアイスブレイク
・最初に笑顔で挨拶し、緊張をほぐすための軽い会話を。
・「今日はどのようなお話がしたいですか?」など、リラックスした雰囲気を作ります。
■面談の目的と進め方の説明
・「本日はご経歴や希望条件を詳しく伺い、最適なキャリアプランを一緒に考えていきたいと思います。」
・進め方を簡単に説明し、安心感を与えます。
3. 求職者の現状把握(ヒアリング)
■経歴の深掘り
・職務経歴書に基づき、「これまでのご経験で特に達成感を感じたことは?」など、具体的な成果や強みを引き出します。
・「前職での役割や、どのようなプロジェクトに携わりましたか?」といった質問で掘り下げます。
■転職理由とキャリアの目標確認
・「今回の転職を考えたきっかけは何ですか?」
・「理想のキャリアや職場環境についてお聞かせください。」
■希望条件の確認
・業種・職種、勤務地、年収、働き方(リモート可否、残業時間など)、職場環境の希望を具体的にヒアリング。
・「これだけは譲れない条件はありますか?」と優先順位を明確に。
4.求職者の課題と強みの整理
■強みの明確化
求職者が自身のスキルや成果を認識していない場合、質問を通じて言語化をサポートします。
■課題のフィードバック
・「この部分はもう少し具体性を加えると企業に伝わりやすくなります」など、ポジティブに改善点を伝えます。
・必要ならスキルアップや自己研鑽のアドバイスも。
5. 求人やキャリアの提案
■求人の提示
・事前に準備した求人情報を紹介し、「この企業はいかがでしょうか?」と具体的に提案。
・「ご希望に近い別の選択肢として、こういう企業もあります」と柔軟な提案を心がけます。
■市場情報の共有
・希望職種の競争率や採用基準、年収相場などを説明し、現実的な視点を提供します。
6. 次のステップの確認
■行動計画の合意
・「まずはこの企業に応募してみましょう」
・「職務経歴書を修正して再度お送りいただけますか?」
・応募スケジュールや具体的な行動を一緒に決めます。
■求職者の疑問解消
・「他に気になる点や質問はありますか?」と問いかけ、不安を解消します。
7. 面談のまとめ
■振り返り
・「今日は◯◯についてお話ししましたが、ご納得いただけましたか?」
・話した内容を簡潔に要約し、次回のアクションを確認します。
■感謝の意を伝える
・「本日はありがとうございました。引き続き全力でサポートしますので、よろしくお願いいたします。」と誠意を示します。
8. 面談後のフォローアップ
■面談内容の記録
・求職者の希望条件や特記事項を社内システムやメモに記録します。 ・求人企業に推薦状を作成する際の参考にします。
■こまめな連絡
・面談後に送付する資料や、進捗状況の確認を行い、継続的なサポートを提供します。
なお、上記はあくまで一例となりますので、決まりきった流れに縛られず、求職者の状況や性格に合わせた面談を心がけましょう。 この流れを踏まえつつ、求職者が前向きにキャリアを進められるよう、安心感と信頼を提供することが大切です。
求職者の本音や潜在的なニーズを引き出すため、意識できるポイントは下記の通りです。
1. リラックスした雰囲気を作る
■アイスブレイクを活用
面談冒頭で簡単な世間話や最近の話題に触れることで、緊張をほぐします。
例:「今日は寒いですね!お越しいただいてありがとうございます。」
■共感を示す
話の中で「そのお気持ちわかります」「そういう経験、大変ですよね」と共感の言葉を積極的に使う。
2. 聞き上手になる
■話の主導権を渡す
求職者が話しやすいように、「まずはどんなことでも教えてください」と促します。
■あいづちや相槌を工夫
「なるほど」「それは面白いですね」「もっと詳しく教えていただけますか?」など、自然なあいづちを入れる。
■沈黙を恐れない
求職者が考える時間を与えるため、質問後の沈黙にも焦らず待つ。
3. 具体的な質問をする
■オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける
・オープンクエスチョン: 「どのような仕事が理想ですか?」(自由な答えを引き出す)
・クローズドクエスチョン: 「勤務地は東京以外も検討できますか?」(具体的な情報を確認する)
■深掘り質問で具体性を引き出す
「そのプロジェクトではどのような役割を担いましたか?」
「一番達成感を感じた経験は?」
「その目標を達成するために特に工夫したことは何ですか?」
■過去・現在・未来の視点で質問する
・過去: 「これまでのキャリアでどのような経験を積まれましたか?」
・現在: 「転職を考えるきっかけは何でしたか?」
・未来: 「これからどんなキャリアを築いていきたいですか?」
4. 優先順位を明確にする
■希望条件を整理する
求職者の希望を掘り下げる際に、「これは絶対に譲れない条件ですか?」と確認し、優先順位を明確にします。
■現実的な調整を提案
希望が市場の現状と乖離している場合は、「この条件に近づけるために、どの部分を調整するのが現実的だと思いますか?」と柔らかく提案。
5. 求職者の本音を引き出す
■「なぜ」の質問で深堀り
「なぜその仕事を選ばれたのですか?」
「その希望を叶える理由や背景を教えてください。」
■言いにくい本音を引き出す配慮
「どんな些細なことでも気兼ねなくお話しください。将来を考えるうえで、どんな点でも重要です。」と、安心感を与える。
6. 潜在的なニーズを探る
■キャリアの可能性を広げる質問
「今まで考えたことがない分野や職種に興味を持ったことはありますか?」
「スキルを活かして他にどんなことができると思いますか?」
■求職者の価値観を探る
「働く上で一番大切にしていることは何ですか?」
「これまでで最も満足度が高かった職場はどんな環境でしたか?」
7. 非言語情報も読み取る
■表情や態度に注意
求職者が特定の話題で急に黙ったり表情が曇った場合、それが気になるポイントかもしれません。「その点について、もう少し詳しくお伺いしてもいいですか?」と切り出します。
■声のトーンや言葉の強弱に注目
自信を持って話している部分や、ためらいが見られる部分を分析します。
8. 過度な誘導は避ける
■求職者の考えを尊重する
■自分の意見を押し付けず、求職者自身の意思を尊重する姿勢を保つ。
・例:「私の意見としてはこうですが、◯◯さんはどう感じますか?」
9. メモを取りつつ丁寧にまとめる
■メモで内容を記録
面談中に話した内容を簡潔にメモし、面談後のフォローアップに活かします。
■最後に要約して確認
「お話を伺った内容としては、◯◯がご希望で、△△に強みがありますね。この点で求人を探してみましょう。」と、双方の理解をすり合わせます。
10. 面談後のフォローに繋げる
■信頼を築くための姿勢
ヒアリング内容をもとに、具体的な提案やフィードバックを迅速に行います。
・「お話を踏まえて、このような求人をご用意しました。」
・「面談でお話しされた内容を、企業にも伝えやすい形でまとめました。」
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いかがでしたでしょうか。
今回は求職者面談の一般的な流れやポイントをご紹介させていただきました。
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